乳房再建術
乳房再建とは、乳ガンの摘出手術によって失われたバストの形態を取り戻すことをいいます。摘出手術によってバストを失ってしまうと、その人に与える精神的、肉体的影響はとても大きく、女性の一生を考える上で、失った乳房を取り戻すことのできる乳房再建は、とても大切な選択肢の一つといえます。
これまでの乳房再建の適応には、早期の乳ガンの場合、根治手術後長期間経過した場合、遠隔再発がない場合などの条件がありましたが、現在では、局所再発率や生存率が変わらないことが科学的に証明されたため、乳房温存術で部分切除を受けた方でも、乳房と胸の筋肉の両方を切除した方でも、どのような方でも乳房の再建が可能になりました。
乳房再建を受ける方の悩み
乳房を失ってしまった方が、日々の生活の中で感じていた悩みをまとめてみました。日常生活での不便(衣服や下着、行動)、気持や心の問題、肉体的な不都合など、患者様本人にしかわからない悩みが伺えます。
日常生活での不便
- 温泉や公衆浴場、旅行に行きづらい
- 下着やパットに対する注意が大変
- 趣味の活動やスポーツ、水泳などが不便
- 衣服の自由がきかず、既成服が着られない
心や気持ちの問題
- 病院での診察、または健康診断に行きにくい
- レントゲン検査が嫌になる
- 自分の身体を見るのが辛い
- 女性でなくなった気持ちになる
- 子供や孫と入浴したい
肉体的な不便
- 病院での診察、または健康診断に行きにくい
手術方法
人工乳腺(インプラント)を用いる場合
皮膚に十分な余裕がない場合、ティシュエキスパンダー(組織拡張器)を用いて皮膚を十分に伸展させ、人工乳腺をその位置に入れます。皮膚に余裕のある場合、一般の豊胸手術と同じく人工乳腺を胸筋あるいは皮下の最適部位に挿入します。
筋皮弁法
胸筋が残っていない場合に用いられます。
背中の筋肉(広背筋)がお腹の筋肉(腹直筋)を利用することになります。どちらの方法も新たな部位を切開することになり、人工乳腺法に比べると体力的に負担がかかることになります。
乳房の輪郭が再建された後、数ヶ月で乳頭乳輪を再建します。反対側から乳頭、乳輪を移植する方法や入れ墨を用いる方法があります。